現代日本は「ストレス社会」と呼ばれており、多くの人々は多大なストレスや忙しさの中で生活しています。
それに伴い、現在「うつ病」を発症する人が増加している状況にあります。
「うつ病」と聞くと特別な病気と感じる人も多いですが、現代社会において、誰にでもなりえる病気なのです。
それでは、うつ病とは何が原因で発症し、どのような症状が出るのでしょうか。
当記事ではそれらをわかりやすく解説していきます。
目次
うつ病になるとどのような症状が出るのか
うつ病の症状は大きく分けると「精神的影響」と「身体的影響」に分かれます。
しかし、発症する症状は多岐に渡り、人によって変わってくる部分もあります。
以下では、うつ病にかかった際に多くの人が発症する症状を解説します。
気分が落ち込む
うつ病の代表的な症状に「気分が落ち込む」という症状があります。
落ち込んだ気分には波がある場合が多く、朝方が一番良くないという人が多いです。
「特段理由はないのに、気分が晴れない」という状態の人は注意が必要です。
興味や喜びを感じない
うつ病になると、喜怒哀楽の感情が薄くなる傾向にあります。
自分の趣味を行っても、「楽しい」や「嬉しい」という感情が芽生えなくなり、物事に興味を持てなくなるという症状が出る場合があります。
食欲の低下
うつ病になると食欲が湧かなくなることが多いです。
また、何かを食べても美味しいと感じることも少なくなり、余計に食事を摂ることができなくなります・。
結果として栄養不足に陥り、余計に体調を崩す要因となります。
しかし一方で、甘いものを食べ続けてしまうなど、過食になるケースもあります。
睡眠障害
うつ病になると十分な睡眠が取れなくなることが多いです。
夜入眠ができない、夜中に覚醒してしまう、朝早い時間に目が覚めてもう一度眠ることができない等の状態が発症します。
そのため、日中も疲れた状態でいることが多く、更に病気を悪化させる原因になりかねません。
集中力や決断力の低下
うつ病にかかると思考がすっきりせずに集中することができない、中々決断ができないという状態になる事が多々あります。
そのため、うつ病になる前は当たり前にように行っていた仕事や作業が急にできなくなり、ストレスの原因となってしまいます。
疲労感や倦怠感
うつ病の人は常に疲労感や倦怠感を感じている状態の人が多いです。
上記の体調不良が続く限り疲労感や倦怠感が続くことが多く、日常生活に支障を及ぼします。
他の身体的症状
上記以外の症状として、息苦しさ・動悸・発汗・口の渇き・首や肩の凝り・頭痛などを感じる人もいます。
うつ病の症状は人によって異なる部分もあるため、これらを感じることがない人や、反対にこれらの症状以外を感じる人もいます。
「単極性うつ病」と「双極性障害」について
多くの人が「うつ病は気分が落ち込む、精神的な病気」と理解していますが、共通した症状がある病気でも「単極性うつ病」と「双極性障害」が存在します。
「単極性うつ病」とは気分が落ち込んでいる状態が続き、その間に気分が高揚することがなく、感情が表に出ていないような状態の症状を言います。
いわゆる「うつ病」は、この単極性うつ病を指すことが多いです。
治療としては、薬物療法や、精神療法、発症原因が環境的なものであれば休養を取るなどの治療法が主です。
症状が重い場合は入院しての治療が行われる場合もあります。
「双極性障害」は「躁うつ」とも呼ばれていることも多いです。
「単極性うつ病」とは異なり、気分の波によって、躁状態(気分が高揚し感情が表に出ている状態)とうつ状態が繰り返しやってきます。
再発しやすいと言われており、治療は再発防止を目的の一つとした長期的なものになる場合もあります。
躁状態を調子が良い時間と感じ、単極性うつ病と思って受診をしたら双極性障害であったというケースも多いです。
うつ病の原因は何か?どんな人がなりやすいのか?
実は、うつ病の原因は未だ確定的に判明されていない部分もあります。
しかし、「環境的要因」と「性格的要因」が原因になっていることが多く、一つのみの要因ではなく、様々な要因が重なって症状が出ることが多いです。
以下では、うつ病の原因になる可能性となるもの、うつ病になりやすい性格の人を解説します。
環境の変化が起こった
職場や学校、引っ越しなどにより、今までの生活環境と大きく変化した時に、環境の変化についていけず、発症する場合があります。
人生の転機となる出来事が起こった
「大切な人との死別」「離婚」などというネガティブな大きな出来事があると、多大なストレスを感じ、うつ病に繋がる場合があります。
更には「妊娠」や「休日の寂しさ」などの一般的にネガティブとは言えない出来事であっても、人によってはネガティブな感情になり、気分が落ち込む可能性があります。
日々ストレスを感じている
「長時間労働が続き、休む時間が取れない」、「会社でのパワハラが続いている」という状況で、日々ストレスを感じている人は、多大なストレスを感じている場合があります。
また、そのストレスを溜めこみ、発散ができていない場合は、うつ病に繋がる環境要因の一つとなる可能性があります。
慢性的な疲労がある
睡眠の時間や質が十分でなかったり、食事が偏っていたりすると、休んだつもりであっても疲労が残っている場合があります。
その様に披露している状況が続くことにより、日常生活にまで支障を及ぼし、うつ病に繋がる原因となりかねません。
真面目で責任感が強い
真面目で責任感が強い人は、「自分が任された仕事なのだから最後までやりきらなければ」「この出来事はすべて私の責任だ」などのように、物事について大きな責任をもって取り組む傾向にあります。
自分で意識しているかはともかく、これらが大きなプレッシャーとなっている場合があります。
完璧主義
うつ病になる傾向にある人は、完璧主義な性格の人も多いです。
完璧主義の人には、「些細なミスを許せない」や「物事を100点満点で終えなければ」という気持ちから、精神的に疲れている人がいます。
その様な状態が続くと、気持ちが落ち込む原因となる場合があります。
周りからの目が気になる
「自分が周りからどう思われているか気になる」、「ここで失敗してしまったら周りからどう思われるだろうか」のような考えをする人は、自分で自分にプレッシャーを与えてしまっており、大きなストレスを抱えてしまっている傾向にあります。
このような性格の人もうつ症状が発症しやすいと言えます。
日々の些細なストレスが積み重なってうつ症状が出ることもある
上記した要因以外にも、日々の些細な出来事の積み重なりや、生活習慣の乱れなどが原因となり、気分が落ち込むこともあります。
心や体に異変が生じたら早めに対応をする
自分の体に異変を感じたら、もしくは周りの人の様子がおかしいと感じたら、早めに対応することは非常に大切です。
上記でも解説しましたが、うつ症状の一つである、睡眠障害や食欲不振などによって、更に大きなストレスを抱え、悪化する原因になる場合もあります。
また、精神科や心療内科は予約制の場所が多く、診察まで時間がかかるケースもあります。
そのため、なるべく早く対応を行い、状態がひどく悪化する前に対処するようにしましょう。
日々体と心のメンテナンスをすることが大切
上記では異変が生じたら早めに対応すると記載しましたが、理想としては「心身に異変を起こさないようにする」が大切です。
十分な睡眠や、バランスの良い食事、適度な運動など、健康な心身を作るために日々意識できることもあります。
睡眠や偏食は、心身の疲労に繋がります。
また運動を一切しないと、睡眠の質の低下や、心の健康を損なう可能性にも繋がります。
また、悩みや落ち込みは、一人で抱え込まずに信頼できる人に相談することをおすすめします。
悩みを一人で抱え込むことによって、解決に繋がらず、その悩みが新しい悩みを引き起こす場合があるため、勇気をもって人に相談するという選択肢を取ることは重要です。
「疲れた」「気分が下がっている」という状態になった場合には、心身を回復させるためにゆっくり休んで、事前に病気の予防ができる生活ができることが理想です。
まとめ
「心の風邪」とも言われているうつ病は、現代社会において、誰もがなりえる病気です。
うつ病の原因は確定的にはなっていませんが、突発的な出来事、日々の些細な出来事からのストレス、睡眠不足や偏食からの疲労や、性格的な要素が原因となりやすいです。
まず大切なことは、自分の体に異変が起きないように、普段から心身の健康を意識し、十分な睡眠や食事、適度な運動を取ることを心がけることです。
そして、「疲れた」「気分が下がっている」と感じた時は十分な休息を取り、心身を日々メンテナンスしてあげましょう。
もし、少しでも体がおかしいと感じたら、我慢することなく早めに対応を行いましょう。
当記事を読んだ人が、うつ病に関する理解を深めることができたら幸いです。